アニメ『進撃の巨人』season2 27話「ただいま」レビュー
―最近雨が続き、地面がグシャグシャになって落ち込んでいますが、
『進撃の巨人』では血の雨が続き人がグシャグシャになってるぐらいだから、まだマシな方かな…。
今回27話のタイトルは「ただいま」。
前回サシャとコニーが村を心配する描写がありましたが、両者ともその村に到着。
といっても今回はほとんどサシャ回です。見せ場がたっぷりでした。
二人はどんな“ただいま”を遂げるのか―
アニの体が運ばれるのを見送るハンジたちの横から、兵士たちの騒めき。
ハンジたちが見たのはなんと「壁に埋まる巨人」!
そこに現れたニック司祭の話によると、壁の中は全部巨人という事が判明。
そしてウォールローゼが突破された。
コニー達104期生は避難し、コニーはライナー・ベルトルトとともにコニーの村のある南の方へ。
サシャも自分の村へ向かった。
調査兵団分隊長ミケは、リヴァイに次ぐその実力で巨人たちを駆逐しに行くが、言語を喋り他の巨人を操るという「獣の巨人」と遭遇し、無残にも操られた巨人たちに喰われ死亡してしまう…。
前回はハンジの怯えとミケの断末魔という、普段とは違う人間味の強い姿が印象的でした。
前回の感想ではコニーが気になると注目していましたが、今回はサシャ色強め(笑)。
先に言っておくと、見た後だいぶ自分の中でサシャのイメージが変わりました。
では内容をさらっと振り返ります。
駐屯兵団司令官ドット・ピクシスにウォールローゼ突破の報告があがる。
ストヘス区では、兵士たちが出発の準備をしている。
エレン・ミカサ・アルミンは馬車に座って会話。
アルミンは巨人が壁になった経緯を推測。今までの巨人が壁でなく門だけを破っていた事を遡り、
「巨人の硬化能力でできたんじゃないか」と考える。
研究室のような部屋でハンジが顕微鏡を覗いている。
兵士があと5分で出発だと伝える。
「ちょっと確認したいことが」と言いながら何か発見した様子のハンジ。
そこにリヴァイが登場し、ハンジを急かす。
ここで“ある人物”がいることを思い出すハンジ。
「あぁ、彼は?」
「さっきからお待ちかねだ」
ハンジが調べていたのは何やら石のような硬い物質。それを手に取り外へ。
馬車で待つエレン達の元に、ハンジとリヴァイが登場。
その傍らにはニック司祭がおり、アルミンが驚く。
訳を訊くアルミンに、笑いながら「友達なんだよ」と答えるハンジ。
この編成自体が訳分からないというハンジだが、リヴァイは意味はあるという。
「エルヴィンが“コイツら”を選んだんだからな…」
ゲートが開門し、出発の時が来る。
壁を振り返るアルミンが心の中で語る。
「僕たちはずっと、巨人によって巨人から守られていた」
ハンジがエレン達に、ニック司祭が壁の中の巨人を知っていてそれをずっと黙っていたことを伝える。
司祭が同行するのは、自身が現状を見てもなお、原則に従って口を閉ざし続けるのかを自分に問う為らしい。
エレンがそれに憤怒。人類の滅亡を防ぐ以上に重要なことは無いと訴える。
リヴァイが司祭に銃を向ける。自身は今怪我で役立たずかもしれないが、見張ることぐらいはできるという。
「くれぐれも、うっかり体に穴が開いちまう事がないようにしたいな…お互いに」
脅すリヴァイだが、ハンジは既に試していて効かなかったという。
ハンジ曰く司祭は真っ当な判断力の持ち主で、彼が口を閉ざすには、人類滅亡より重要な理由があるのかもしれないとの事。
場面はサシャ。一人の兵士と馬で走っている。
村が見えてきたという事で、兵士が手前の村に、サシャがその奥にある自分の村へ突入。
分かれた後、サシャの回想が始まる―
獣のような食欲衝動を起こすサシャを、燻製を持った狩人の男が抑えている。これは冬の備蓄だと強く言うが、逆にサシャに襲われ程なくして食糧を譲る男。
ここから言い合いになる。
お互いに少し訛っていて、サシャは口調も言動もいつもと違って野蛮。
男はサシャの父親で、二人は森の僻地に住まう狩猟民族らしい。
なんでもここ数年森が減って獲物が獲れなくなっているとのことで、父はその原因を考えた事があるのかとサシャに問う。
サシャは、他所者が来て横取りするから自分達は腹が減るんだと答えるが、父はその人らも住処を奪われた被害者だと諭す。
「奪われたもんが悪い。早よ出てけばいいに」と言う理不尽なサシャに対し、父は巨人族にウォールマリアを破られ行き場を失ったのだと言う。
それを聞いて俯くサシャ。
森を切り開き穀物を植える方が多くの人の腹を満たすことができるため、森を明け渡すことを考えている父。
そして王政からは「馬を育てろ」と言われている事を伝える。
サシャはそれに強く反対する。狩りを止めるのは自分たちが先祖から教えてもらった生き方ではないと訴え、自分たちを馬鹿にする人間の為にすることではないと声を荒げる。
父は自分達は世界に生かしてもらっているんだと言うが、余所者に受けた恩恵は無いと返すサシャ。
父は一度それもいいなと同意するが、自分や同属のみの価値観だけである“その生き方”と共に心中する覚悟があるのか?と刺す。
その生き方のまま、これからどんな危機に見舞われても助けを請うてはいけない。義務を果たさない者はその恩恵を受けることはできないと、更に言い聞かす父。
要するにサシャの父が言いたいのは、「伝統を捨て、世界と共に生きろ」という事。
そして、父はサシャの少し臆病なところを指摘しながら言う。
「この森を出て他人と向き合うことは…お前にとってそんなに難しい事なんか?」
―この日からサシャは3年帰っていないらしい。
森の中を走りながら「異変に気付いて逃げてるはず」だと願うサシャだが、地面に巨人の足跡を見つける。
「そんな…ここまで…」
かなり奥地な場所にも巨人が踏み込んだ事に驚くサシャ。既に人が住める土地でないと悟る。
森を抜けると、そこには新しい村の姿があった―
一軒の廃れた家屋の中でクチャクチャと、“さっきまで人間だった何か”を座って食べる巨人。
すぐ傍には一人の少女が死んだ目をしながら黙って座っている…。
巨人が少女を見つめる。
<緊張感を高める効果音>
サシャがその家の前に立ち止まる。
失礼、“さっきまで人間だった何か”はまだちゃんと形を残して生きてました。早とちり。
喰われていたのは主婦。「ウッ…ウッ…」と呻きながら足を貪られている。
少女はその喰われる光景に目もやらず、ただ真っすぐを向いている。
「ウォオオオオオッ!!」
突然聞こえる誰かの雄叫びに振り返る少女。
そこには斧をもって巨人に切りつけるサシャがいた。
斧でうなじを狙い続けるが、なかなか倒れない巨人。
手から斧が離れてしまい、叫ぶサシャ。
そのあと少女に気付き、まだ少し息を残していた主婦に「ごめん…なさい…」と言いながら少女を外へ連れ出す。
主婦はあえなく力尽きる…。
馬の元へ走りながら少女の名前を聞くサシャだが、少女はずっと死んだ目をして反応しない。
馬のところへ到着し、サシャが「もう、大丈夫ですよ!きっと…」と安心させようとすると、ついに少女が呟く。
「何が?」
それに戸惑うサシャ。
「えっと…その……」
口を聞いた少女に何かを話そうとするサシャだが、なんと馬が何処かへ走って行ってしまう珍プレー。
サシャがうろたえて握っていた手綱を離してしまったからのようだ。
この世の終わりのようなリアクションのサシャは指笛で馬を呼び戻そうとする。
動揺しているサシャ。
「心配、ありません!…ちょっと待っててくださいっ…?多分すぐ…」
「なんでそんな喋り方なの?」
その言葉に、吹こうとした指笛を止めるサシャ。
動揺している喋り方のことでなく、丁寧な言葉遣いに対しての言葉だった。
「ひわっ!?」
驚いてるサシャは家屋から巨人が出てきたことを確認しさらに驚く。
何かないかと辺りを見渡すと、すぐ傍に「弓矢」があったので手に取る。狩人の武器である。
サシャは少女の手を取って逃げる。
「大丈夫だから」と励ましを止めないサシャに、死んだ目の少女は疑問の様子。
「なんで…みんなもう逃げちゃったよ?」
「村の人…母さんが足悪いの知ってた…」
「でも、誰も助けてくれない…私もただ見てた」
悲しげに話す少女をじっと見つめるサシャ。
二人は橋の向こうへ渡る。
「大丈夫ですから…!」
子供に対しても丁寧な言葉遣いで励ますサシャ。
再びサシャの回想が入る―
井戸水を汲むサシャとクリスタ(結婚しよ)の元へ、ユミル(そばかす)が接近。
「そろそろうぜぇんだが…」
どうやらユミルは、サシャの馬鹿丁寧な喋り方が気に食わない様子。
何で同期にまで敬語なのかわからないという事で、「当ててやろう」とほくそ笑むユミル。
「お前、故郷の言葉が恥ずかしいんだろ?」
そこからはまるでいじめっ子のように攻めるユミルは、サシャが狩猟の事しか知らなくて世間や人を怖がっている、と嘲笑う。
兵士を目指したことに対しても大した理由じゃない筈だと憶測で語る。
言い過ぎだとクリスタが止めようとするが、続けてユミルは指摘する。
「サシャ、お前はずっと人の目を気にして、作った自分で生きてくつもりかよ!」
「そんなのはくだらないねェ!」
「いいじゃねぇか、お前はお前で…お前の言葉で話せよ!」
―ユミルはただのいじめっ子ではなく、サシャの事を想っていた。
サシャの父は「他人と向き合う事はそんなに難しい事なんか」と言ったが、ユミルはそのアドバイスを与えた。
この場面はいわばサシャの成長する機であろう。
「あ、ありがとう…ございます…」
まだその口調が残ってしまうサシャにガン飛ばすユミル。
クリスタが、「人に言われて話し方変える必要ないよ」とサシャを庇う。
「これがサシャが決めたサシャなんだから…」
「今だってありのままの言葉でしょ?」
「私はそれが好きだよ!」
ユミルが少し同意しながらも、今更口調変えられたところで鬱陶しいだけだが、とトゲを刺す。
ユミルとクリスタが可愛らしく言い合い、サシャはそれを見て笑っていた。
「おい!お前何笑ってんだ!」
「はい…すみません…」
―「なんで…こんな時に思い出すのは…取るに足らない、いつもの日常…」
若干笑っているサシャ。
「そんな、思い出ばっかり…」
サシャはその口調を変えて、再び少女を励ます。
「弱くてもいいから、あなたを助けてくれる人は…必ずいる…!」
「すぐには会えないかもしれないけど、それでも…会えるまで走って!」
勇気を貰えるような、そんな笑顔で話すサシャ。(こんなサシャ、好きになるじゃないか///)
「さあ行って、走って!」と、少女から手を離し巨人に身体を向けるサシャ。
少女は死んだ目をしながらも戸惑った様子で立ち止まり、サシャを見つめる。
弓矢を構えるサシャが叫ぶ。
「走らんかい!!!!」
その瞬間、少女の目に生気が戻る。
必死に走る少女。そしてサシャと巨人が合い見える。
サシャは一度矢を放ち巨人の気を引く。両目を潰すと時間を稼げるため、高台に上り巨人の目を狙う。
次の射撃、これを外す。
「あと、2本…」
落ち着けと自分に言い聞かせるサシャ。
「獲物は…大きくて…動きが…鈍い!」
放った矢は見事巨人の左目を命中。すかさず2本目の準備。
「あと1本…もし…これを外せば…!」
片目を潰しながらもサシャに迫る巨人。
「逃げられない…!外したら…私と…」
「“あの子”が…!!」
カッと目を見開くサシャ。突然弓を捨てる。
右手に持った矢を強く握り、矢先を巨人に向ける。
「えあああああ…!」
「うあああああああああァ!!!」
強く叫び、巨人の右目に向けその腕を振りかざす。
そして直接右目を潰すことに成功。巨人の嬉しくもないハグに潰されそうになるも、返り血で滑り運良く脱出。
少女を探しに走るサシャ。
しばらく行くと馬が数匹走る音が聞こえる。
その馬には“あの少女”と、なんとサシャの父親が乗っていた。
「サシャ…!?」
唖然としてその場に立ち尽くすサシャ…言葉を失った。
状況は落ち着き、村人と共に馬に乗っている少女。少し悲しげな表情。
隣の馬にはサシャ。父と邂逅を果たし、同行していた。
父はそこの一帯の人たちに馬を与えていたようだ。馬を育てて人を救っていたという事だ。
あの少女がサシャの父に「人が残っている」と伝えたという。
「それがまさかお前だったとは」と呟く父。
「あの子のために、巨人と戦っとったんだな…」
「うん…」
「サシャ…立派になったな」
その言葉に心打たれるサシャ。
「お父さん…」
「ただいま」
―「待てコニー!落ち着け!」
場面は南の村へ向かうコニー・ライナー・ベルトルト達。
コニーは感情に任せ馬を急がせる。
どこに巨人が現れるか分からないとコニーを注意するライナー。
村に到着したコニーだが、周りを見ても人の姿はなかった。
コニーが叫ぶ―
「俺だ!コニーだ!帰って来たぞおおおお!!」
―反応はない。
コニーは自分の家へ向かう。
「父ちゃん…母ちゃん…サニー…マーティン…」
コニーと馬は突然止まりだす。
目の前に、家を潰しながら倒れる巨人の姿。瓦礫に嵌っている様子で、その眼だけはコニーを見ている。
「俺の…家だ… 俺の…」
他の兵士が周囲の警戒を呼びかける。
一人の兵士が巨人が動けない事を発見。どうやらその巨人の手足では動くことはままならないらしい。
「じゃあ…コイツ…どうやってここまで来たんだ…!?」
To be continued…
ん~良いセリフが多かったので字面で強調した箇所が多くなっちゃいましたが、作者のセリフで魅せるというスゴさ。
結果的にサシャとコニーはお互い“ただいま”の印象が違いますね。
全く逆ってワケでもなさそうですが、サシャのはまだ温かみがあります。
アルミンの推測はまだ確定したとはみられませんが、頭のキレる人ですからね。当たっていることでしょう。
顕微鏡で石のようなものを見ていたハンジですが、前期と結構空いてるのであれが何だったかちとわかりません(笑)。恐らくは巨人の硬化した時に出るあの物質みたいなものかと勝手に思ってますが、どうなんでしょう?
そしてハンジが言うにはニック司祭は割と判断力があるらしいですね。
前回詳しく書きませんでしたが、壁の上でハンジに胸ぐらを掴まれ落とされそうになったときに、「私を○して学ぶがいい、我々は必ず使命を全うする」と言ってあえて自分から放すよう叫んだんですよ。
普通なら命乞いをするところを使命を全うすると豪語する司祭に、ハンジは判断力の高さを見出したんでしょうね。
そして司祭がPTに加わってしまいました。その理由が自分探しの旅みたいでちょっと笑います。
ここからサシャの見せ場でしたね。
今回を一覧して何に驚いたかって言うと、サシャの真の姿と少女の眼の表現ですかね。
3年ぶりに父と出会って「ただいま」でタイトル回収したのも感動しましたが、まるで屍のようになった少女の眼が、素に戻ったサシャの「走らんかい!!!」という叫びでフッと生気を戻すという描写がすごかった。
今回一番の見どころではないでしょうか。
本来の口調で喋るのは、サシャの父やユミル、そしてクリスタの言葉があったからこそですね。
現実世界では「東京に慣れて標準語を話すようになった大阪民が地元で馬鹿にされる」なんて話がありますが、「自分の言葉を話せ」と言ったユミルの言う通りですね。
いじめっ子タイプは本気で嫌いですが、人を想って発言したユミルには魅力を感じます。
これでも声優は初音ミクの人と一緒なんですね(笑)。ユミルっていい名前ですし今後も活躍するのかな?
にしてもクリスタ可愛いな…。(結婚しよ)
サシャは父親に会えてよかったですね。伝統を捨て世界と繋がる事をサシャに教えた本人ですが、王政の言う通りに馬を育てては村人達に馬を与え救っていました。
サシャと父親と少女はこれからどういう展開に向かうのでしょうかね。この二人はアニメを見る限り、聞き忘れが無ければ名前は判明していません。
そしてさらっと今回も被害者が一人…南無。
一方コニーは少し可哀想でした…。
家は潰されていましたが、次回予告を見る限りまだ希望を捨てていないようです。
彼の父と母、そして妹と弟でしょうか。親、サニーとマーティはきっと避難したんだと信じるコニー。
それにしても例の瓦礫の中の巨人。動けないのにどうやって来たんでしょうね。
動体と顔がでかい割に手足は細く、腰のあたりからは骨が飛び出ていました。
MIDLIFEが勝手に考えたのは二つです。
一つ目は獣の巨人が投げたんじゃないかというもの。
まあほぼあり得ないんですが、あの投擲力は素晴らしいものを感じます。
二つ目は、エレンや女型の巨人のように誰かがその場で巨人化したというもの。
でも誰かってそりゃそこにいた人物になるワケで、この場合はコニーの家族か家族の傍にいた何者かになるかもしれません…。
他のアニメならこんな予想しないでしょう。『進撃の巨人』だからできる残酷な予想です。
<余談>
今回は少し文字多めな気がしますが、それほど内容が濃かった。
正直サシャと父親の言い争いの時に、交互に喋ることで―
「『○○』とサシャが言う。『○○』と父が言う。」
―というようにくどくなってしまうのが怖かったんですよ(笑)。
全部セリフにするのも考えました。
結局ちょっとわかりにくいですが、「意見を押してる方は誰か」が分かるように、
「父は『○○』と言ったが、『○○』と言うサシャ。」という感じにしました。
読みにくかったらホントにすみません(´・ω・`)
これから内容もかなり大雑把にしようかな…迷う…
また、次回もご期待ください!
投稿者プロフィール

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年齢:20代
性別:男
趣味:作曲(DTM)、イラスト、スマホアプリ(特に脱出ゲーム)
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